「就職氷河期」って実際どうだったの?数値とともに振り返る
「就職氷河期」という言葉、ニュースやSNSで見かけたことのある人も多いと思います。私はまさにその時代に社会に出ようとしていた世代なので、「あぁ、あの頃のことか…」と、ちょっと胸がザワつきます。
一言で言うと、就職氷河期とは「新卒でも仕事が全然ない時代」でした。バブル崩壊後、企業が採用を控え始めた1993年ごろから、2005年くらいまで続いたと言われています。正社員になりたくても求人が少なすぎて、選ぶどころか、どこにも採用されない…なんて人も珍しくありませんでした。
では、どれくらい「仕事がなかった」のか?実際のデータで見てみましょう。
年ごとの「有効求人倍率」をデータでチェック!
有効求人倍率っていうのは、「1人の求職者に対して何件の求人があるか」を示す指標。1.0を下回ると「働きたい人の数 > 求人の数」ってことになります。つまり、1.0以下だと仕事が取り合い状態。
以下が、1991年から2005年ごろまでの有効求人倍率の推移です。
有効求人倍率の推移(1991年〜2005年)
年 | 有効求人倍率 |
---|---|
1991 | 1.40 |
1992 | 1.10 |
1993 | 0.76 |
1994 | 0.64 |
1995 | 0.62 |
1996 | 0.66 |
1997 | 0.68 |
1998 | 0.52 |
1999 | 0.48 ←氷河期の底 |
2000 | 0.62 |
2001 | 0.64 |
2002 | 0.54 |
2003 | 0.59 |
2004 | 0.76 |
2005 | 0.95 |
データを見ると、1993年から一気に倍率が落ちて、1999年には0.48というとんでもない低さになっています。つまり、仕事はあっても半分の人しか就職できないような厳しい状況…。この頃に新卒だった人たちは、まさに「運が悪かった」としか言いようがありません。
就職できなかったら、その後どうなるの?
多くの人がフリーターや派遣社員として働かざるを得ませんでした。20代で正社員経験を積めなかったことが、30代・40代になっても尾を引いてしまうんですよね。
キャリアが途切れてると書類で落とされやすいし、「もう年齢的に…」なんて言われたら、どうしようもない。家庭を持つタイミングも逃しがちで、結果としてこの世代が結婚・出産できなかったことが、今の少子化にまで影響しているとも言われています。
最近の支援は?
ここ数年でようやく、政府も「このままだとまずい」と感じたのか、「就職氷河期世代支援プログラム」を打ち出すようになりました。職業訓練や中高年向けの求人紹介、企業への助成金などもありますが、まだまだ「支援が届いていない」という声も多いのが実情です。
最後に:あの時代を生きた自分たちへ
就職氷河期を生き抜いた私たちは、本当に大変だったと思います。でも、その中で地道に働き続けたり、転職やスキルアップに挑戦してきた人も多いはず。どんなキャリアであっても、「自分が積み重ねてきたもの」は間違いなく価値があります。
これから社会全体として、この世代をどう支え、どう活かしていくかが本当に問われていると思います。遅すぎた支援かもしれないけど、まだ間に合うと信じたいですね。
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