【キャリアデザイン③】二本目の柱(得意分野)を立てよう

キャリアデザイン

社会人としてキャリアを積み上げていく中で、多くの方が「この道を極めたい」と一つの専門分野に注力していることと思います。もちろん、一つの分野で深い知識と経験を持つことは、非常に素晴らしく大切なことです。

しかし、もしその「柱」となる分野をしっかりと持つことができたなら——次に考えてみてほしいことがあります。

それは、「もう一つの柱を育てる」ということです。

忙しい日々の中で、新たな領域に手を伸ばすのは簡単ではありません。ただ、人は興味が湧けば自然と「知りたい」「学びたい」という気持ちが芽生えるものです。その小さな好奇心を大切に育て、次の一歩に繋げていくことができれば、キャリアはより力強いものになっていきます。

本稿では、「二本目の柱を育てる意義」と「どのように取り組めば良いか」について、私自身の経験を交えながらお伝えしたいと思います。

肩肘張らず、ぜひリラックスして読み進めていただければ幸いです。

専門領域を掛け合わせると、キャリアの可能性が広がる

一つの分野を深めるだけでも十分価値がありますが、それに加えて、別の領域にも強みを持つと、キャリアの幅がぐっと広がることをご存じでしょうか。

ここで意識したいのは、一つ目の専門領域とまったく無関係な分野に手を出すのではなく、将来的に相乗効果が期待できる領域を選ぶということです。

たとえば、

• 営業職の方なら、「マーケティング」の知識を深めることで、顧客獲得の戦略設計から実行まで一貫して携わる力がつきます。

• 経理職であれば、「経営戦略」や「財務企画」にも視野を広げることで、単なる帳簿管理にとどまらず、経営判断を支える重要な役割を担うことができるでしょう。

• 建築士であれば、「意匠設計」(デザイン)だけでなく「構造設計」の知見を持つことで、デザイン性と安全性を両立した提案が可能になります。

このように、近しい領域に視野を広げることは、一見遠回りに見えて、実は本業をより強くするための力となります。

筆者自身の経験から

私自身は、もともとシステムエンジニア(SE)としてキャリアをスタートさせました。

ソフトウェア開発に携わる中で、次第に「単に作るだけでなく、開発に至る背景や、作った後の運用まで深く理解したい」と考えるようになりました。

その結果、ソフトウェア開発に加えて、企業の研究開発(R&D)プロセスや製造プロセスについても学び、実務に活かすようになりました。

この経験を通して実感したのは、

「A(開発)」に強くて、同時に「B(プロセス設計)」にも強い人材は、職場で非常に重宝されるということです。

仕事を受ける範囲が広がり、プロジェクトにおける役割も大きくなりました。

単なる一開発者としてではなく、事業全体を俯瞰して提案できる存在へと成長できたことは、間違いなく「二本目の柱」を育てたおかげだと感じています。

専門分野だけでなく「マネジメント力」を身につける選択肢も

また、技術領域だけにとどまらず、プロジェクトマネジメントや組織マネジメントの経験を積むことも、非常に有効な「二本目の柱」になり得ます。

特にマネジメントは、業界や専門性を問わず応用できるスキルです。

「プロジェクトを円滑に進める力」「チームをまとめる力」は、どんな職場でも歓迎される汎用性の高い能力です。

専門性とマネジメントスキル、この両方をバランスよく育てていくことができれば、キャリアの安定感はぐっと高まります。

スティーブ・ジョブズの言葉に学ぶ:ドットを意識して打つ

Apple創業者のスティーブ・ジョブズは、有名なスピーチの中でこう語っています。

「点と点をつなぐことは、振り返って初めてできることだ。未来を見越して点をつなぐことはできない。だが、いつか点がつながると信じて進むしかない。」

この言葉の本質は、

「目の前の一つひとつの経験が、後で必ずつながる」という信念を持ち、行動を重ねよう

というメッセージです。

私たちも、無意識に点を打つだけでなく、意識的に「どの領域の点を打っていくか」を考えながら行動していくと、より早く、より効果的にキャリアアップへとつながっていきます。

意識して点を打っていくと——

• 社内での認知度が高まったり

• 昇進のチャンスが巡ってきたり

• より高いレベルのプロジェクトにアサインされたり

そんな「キャリアのブレイクスルー」が自然と起きるようになります。

まとめ:次のステップは「二本目の柱を育てる」こと

最後に、今回お伝えしたいポイントをまとめます。

• 一つの専門分野をしっかり深めることはとても大切。

• その上で、相乗効果が期待できる別の領域にもチャレンジしてみる。

• 興味を持てる分野から無理なくスタートする。

• ドットを意識的に打ちながら、自分のキャリアを形作っていく。

これらを意識することで、きっと今よりも自由に、今よりも力強く、自分自身のキャリアをデザインできるようになるはずです。

何も特別な才能は必要ありません。

小さな興味を大切にし、コツコツと歩みを進めていく。

その積み重ねこそが、未来への確かな投資になると私は信じています。

皆さんが、次のキャリアのステップを踏み出すためのヒントになれば嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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