はじめに
2009年、私はIT業界でシステムの保守運用業務に従事しておりました。特に、ある大手文具メーカーのシステム保守運用を下請けとして担当していた時期は、月に100時間を超える残業が常態化しており、心身ともに大きな負荷を感じていました。
業務の中で感じた疑問と怒り
そのような過酷な労働環境の中で、私は次第に「人間の創造力や発想力が、なぜこのような単調な作業に費やされているのか」という疑問と怒りを抱くようになりました。この感情が、私の中で新たなビジネスアイデアを生み出す原動力となりました。
ビジネスアイデアの誕生
当時、私は英会話スクールに通っており、予約システムの使いづらさを日々感じていました。各スクールが独自のシステムを使用しており、ユーザーとしての利便性が損なわれていたのです。これを解決するため、クラウド上で動作する汎用的な予約システムを開発し、多くの企業に提供できれば、ストック型のビジネスモデルとして成り立つのではないかと考えました。
製品ページ:https://ptsc.daiwa-computer.co.jp
アイデアの具体化と仲間との協力
このアイデアを形にするため、同期の仲間をファミリーレストランに集め、仕事終わりに夜な夜な会議を重ねました。私はまだ保守運用業務を続けていたため、仲間の一人が会社に提案し、予算を獲得してシステムの構築を進めることになりました。
営業活動の開始
システム開発は順調に進みましたが、営業活動が課題となりました。私は毎日100件以上のテレアポを行い、顧客を獲得するために奔走しました。また、GoogleアナリティクスやAdSenseを活用したSEO対策、ウェブからの問い合わせ対応、デモンストレーションの実施など、多岐にわたる営業活動を展開しました。
展示会での出会いと気づき
ある日、東京ビッグサイトで開催された展示会に出展し、製品のデモや販売を行っていた際、一人の年配の男性に出会いました。彼は初対面にもかかわらず、「こんな小さなことをしていては人生がもったいない」と諭すように語りかけてきました。その言葉は私の心に深く残り、今でもその意味を考え続けています。
転職活動の開始
この出来事をきっかけに、私は自分のキャリアについて真剣に考えるようになりました。そして、2011年の夏、転職サイト「エンジャパン」に登録し、新たな道を模索し始めました。
コクヨの現在の取り組みについて
私が経験した当時の労働環境と比較して、現在のコクヨは働き方改革やダイバーシティ&インクルージョンの推進に力を入れています。例えば、フレックスタイム制度や在宅勤務の導入、育児・介護休暇制度の充実など、従業員の多様な働き方を支援する体制が整備されています【参考:コクヨサステナビリティ】。
また、コクヨは「Well-being」を重視し、従業員の健康とワークエンゲージメントの向上を目指す健康経営を推進しています。これらの取り組みは、過去の労働環境からの大きな変化を示しており、企業としての成長と社会的責任を果たす姿勢が伺えます【参考:コクヨサステナビリティ】。
おわりに
過去の経験を振り返ると、厳しい労働環境の中で感じた疑問や怒りが、新たなビジネスの種となり、行動を起こす原動力となったことを実感します。現在のコクヨの取り組みを見ると、企業が変化し、従業員の働きやすさを追求する姿勢が感じられます。私自身も、これからのキャリアにおいて、過去の経験を活かし、より良い働き方を追求していきたいと考えています。
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