私はシステムエンジニアとしてのキャリアを積みながら、オフショアビジネスの立ち上げやクラウドビジネスの展開にも携わり、さまざまな経験を重ねてきました。しかし、30代後半に差し掛かり、次第に「これ以上の成長は望めないのではないか」と感じるようになりました。年収は500万円ほどで、今後は大きな昇給も見込めない。定年まで働いてもせいぜい700万円程度に収束するだろうと考え、転職を決意しました。
転職活動を始めるにあたり、エンジャパンに登録しましたが、状況はそう簡単ではありませんでした。特に、2010年前後は転職活動が非常に厳しく、私たち「就職氷河期世代」にとっては(団塊世代ジュニアという事で人あまりの世代)、世代転職市場での立ち位置が極めて弱いことを痛感せざるを得ませんでした。年齢や現職の会社名など、転職のチャンスを掴むのが非常に難しい時期でした。
リーマンショックの影響と就職氷河期世代の運命
不幸なことに、リーマンショックが発生し、世界中で経済が混乱した結果、私たちの転職活動にも深刻な影響を与えました。リーマンショックという大きな壁が、すでに厳しい就職氷河期世代の転職活動をさらに先延ばしさせてしまったのです。経済の冷え込みと企業の採用活動の縮小により、私たちの転職チャンスはほぼ剥奪されたと言っても過言ではありません。
就職氷河期世代は、まさに「呪われた世代」とも言えるでしょう。どんなに努力しても、世の中から冷や水を浴びせられ続け、就職や転職のチャンスを次々に奪われていきました。リーマンショックが発生したことで、私たちの世代の転職機会は完全に閉ざされ、40代に近づくころには「年齢」と「経験年数」が仇となり、求められるスキルと市場の要求との間に大きなギャップが生じてしまったのです。
このように、就職のチャンスを剥奪され、転職のチャンスも奪われていく中で、40歳を過ぎた頃には、「ただ年齢を重ねただけのオッサン」が量産されていきました。近年、40代後半の男性が事件やニュースに登場することが増えてきたことを考えると、私たちの世代がいかに過酷な状況に置かれていたかがよくわかります。社会における評価が低く、働き手としての価値を見出せずに、厳しい状況に陥った人たちが多く存在しています。
未来に待つのは…?
私は今、あの頃の苦しみを思い返しながら、こう考えています。もしこのまま何もせずに時が過ぎていったら、20年後には、私たち就職氷河期世代の屍が南アフリカの様に街中で見つかる日が来るかもしれません。社会から見捨てられた、存在しないもののような無力な「オッサン」が、どこかでひっそりと息絶えていく—そんな未来が待っているのではないかと感じることもあります。
そんな状況を考えると、犯罪に走らざるを得ない人々が出てきても不思議ではありません。社会的な安全網がない中で、生活のために必死に手段を選ばずに生き延びることが求められる日が来るかもしれません。私たち就職氷河期世代にとって、それは決して夢物語ではなく、現実的な恐怖として感じるべき問題なのです。
それでも転職活動は続く、、、
しかし、それでも私は諦めていませんでした。就職氷河期世代の苦悩や不安に直面し続けながらも、転職活動は続けなければならないと感じていました。どんなに厳しい状況でも、面白い仕事、待遇の良い仕事は実力さえ有れば見つかるはず、、、
未来のために
就職氷河期世代として、私たちの歩んできた道のりは決して平坦ではありませんでした。むしろ、多くの試練と挫折を乗り越えなければならない道でした。それでも、この世代が抱える課題を乗り越え、次の世代に希望を繋げるために、私たちは転職活動を続け、前に進むしかありません。
これからも、私たちの世代が直面している厳しい現実をしっかりと受け止めつつ、少しでも明るい未来に向けて進んでいけるように努力していきたいと思います。
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